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沖の人型

335:本当にあった怖い名無し:2012/12/31(月) 01:00:53.35 ID:pKfoZ3UQI

投下します

もう十年以上も前、俺が高校生の時の話。
2年の夏に、男5人で泊りがけで海水浴に行くことになった。

ナンパするほど根性のある奴がいるわけでなし、
むしろちょっとオタク臭いメンバーの俺たちは、純粋に海水浴を楽しむ計画を立てた。
場所がバレかねんが、透き通ってて綺麗な海だったよ。
地元千葉のそれとは大違いだった。
今考えると、その水の綺麗さが仇になったんだな。
336:本当にあった怖い名無し:2012/12/31(月) 01:01:28.39 ID:pKfoZ3UQI
初日。予約していた民宿に荷物を置き、すぐさま海へ。
ゴムボートを借りた俺達は、砂浜で遊ぶ友達二人を残して三人で少し沖の方まで出ていた。(沖って言っても、注意を受けたりはしなかった。昔のことだから、今より規制もいくらかゆるかったのかも)

俺はボートに乗ってゆらゆら揺れを楽しみ、
友達のAとBはゴーグルつけてプカプカ泳いでいた。深さは2メートルいかないくらい。
深く潜って海底に手を付けるかどうかとか、くだらない遊びをしていた。

暫くそんな風にしていると、Aが急に慌てた様子でボートへと上がってきた。
続いて、Bが怪訝な顔で海面へと上がってくる。
「どうしたの?」とB。
「女の、死体!中!」Aは必死の形相で答えた。水を飲んだのか咳き込んでいる。
俺もBもポカンとした。
「お前、何言ってんだよ」
「そういうのいいから」
「いいから、見てみろよ!」
言われるまま、Bはもう一度潜っていった。


337:本当にあった怖い名無し:2012/12/31(月) 01:02:15.06 ID:pKfoZ3UQI
すぐに海面に上がってくるB。
「まじまじ!うわーなんだよあれ!」
「だから言ったろ!」とA。
「え、ホントなの?」と俺。
正直、このとき俺はAとBが俺をハメようとしてるんじゃないかと思っていた。
だって、波は穏やかだったしね。まさか、水死体なんて。
「なに、ダッチワイフとかじゃねーの?」と笑いながら言うと、
「そんなんじゃねーよ!」と少しキレ気味に言われた。

そんなに言うならと俺はBにゴーグルを借りて、海の中に入った。
潜って辺りを見回す。



338:本当にあった怖い名無し:2012/12/31(月) 01:02:47.00 ID:pKfoZ3UQI
あった。
俺らよりさらに10メートルほど沖に、確かに人型の物体が、
此方に頭を向けながら、丁度海面と海底の真ん中辺りに浮いている。
正直かなりビビったがボートに手をかけて逃げる準備をし、目を凝らした。
すると、仰向けのその物体の首が急にダランと下がり、こっちを向いた。
同い年くらいの、青いビキニを着た黒髪の童顔女。

笑ってる!

そう思った瞬間に、その女は体を前方にグルンと回転させ、此方に足を向けた。
あっと思うと同時に、違和感。
その体は、何時の間にかその顔と分離し、顔をその場に置き去りにしていた。
身体から切り離された逆さまの首は、笑い顏のままプカプカと浮かんでいる。
首無しの体は分離した首をそのままに、沖の方へと泳いで行った。

ここまでで、僅か数秒の出来事



339:本当にあった怖い名無し:2012/12/31(月) 01:03:27.58 ID:pKfoZ3UQI
パニック状態で海面へと上がり、
二人乗りのゴムボートを俺がバタ足で押して砂浜へと逃げ帰った。
ABは俺の必死の説明を聞いて震え上がり、砂浜にいたCとDには馬鹿にされた。
警察だかレスキュー隊だかに電話しようと言う話も出たが、
これ以上関わりになりたくなかったので悩んだ末にやめた。

大事になるだろうし、そもそもアレは明らかに
人間ではないとの俺の主張によるものでもあった。
残りの時間、CDを除く俺ら三人が沖へと行かなかったのは言うまでもない。
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